
目次
- 経営と運営の違いは?
- 経営とは会社の「方向性」を決めること
- 運営とは決めた方向に向かって「現場を動かす」こと
- 経営が疎かになった会社の4つの結末
- ①社長が業務に追われて経営戦略に集中できない
- ②社員が指示待ちになる
- ③目の前の売り上げばかり追って先を考えられなくなる
- ④経営判断の遅れから事業が停滞する
- 社長が経営に集中して事業成長させる実践法5選
- ①相談できる相手を見つける
- ②経営者と社員の役割を明確に分ける
- ③会社の業務を見える化する
- ④仕組みによって属人化をなくす
- ⑤経営と運営の両方を定期的に見直す
- 経営と運営が混在していた所から採用成功して事業成長した実例
- 経営と運営の違い
- 中小企業の場合の「経営」と「運営」
- 経営と運営を分けることで得られる3つのメリット
- ①社長が経営判断に集中できる
- ②社員が主体的に行動できる
- ③余白が生まれて大きなトラブルを回避できる
- まとめ
中小企業の社長は、約2人に1人が現場の実務を兼任している「プレイング業務化」しています。
※参照:日経ビジネス
その結果、社長は経営のことを考える余裕がなくなり、「経営者自身が忙しすぎる」という課題にぶつかる事態に陥ってしまうんですね。
この状況を変えるには、経営と運営の違いを理解して、それぞれの役割をはっきりさせた上で事業成長に向けた施策を実行することが最適解です!
本記事では、社労士かつ採用支援会社を経営する私が経営と運営の違い、経営と運営が混同したら起こる問題、社長が今やるべき実践策を紹介します!
この記事を読むことで、「社長が全て抱える会社」から「社長が組織を回して事業を大きくする会社」へ変えることができるので、最後までご覧ください。
経営と運営の違いは?

経営と運営はどちらも会社を動かす上で欠かせないものです。
大きな違いとして、経営は「会社がどこへ向かうのか決めること」運営は「決めた方向に向かって仕事すること」ですね。
この違いを知った上で仕事すると、社長が本来取り組むべき仕事と社員に任せるべき仕事がはっきりしてきますよ!
まずは「経営」と「運営」の意味と役割について見ていきましょう。
経営とは会社の「方向性」を決めること
経営とは、会社がこれからどこに向かうのか決めて組織を動かすことです。
会社の将来を考えて「どんな商品・サービスをどのようなアプローチで購入してもらうのか?」「どんな戦略で事業を拡大していくのか?」など事業全体を広い視野で判断します。
例えば、売り上げを増やすために集客の戦略を立てる、人材を採用して組織を拡大する、利益を残すための業務効率化などが経営としての役割ですね。
それから経営者が特に気をつけたいのが、「何をするか?」ではなく「なぜそれをするのか?」を考えた上で動くことです。
会社の方向がブレていると、社員にも影響が出て思うように噛み合わないことが多いです!
経営は、「会社をどんな風に作り上げていくのか?」を考えて進むための役割ですよ。
運営とは決めた方向に向かって「現場を動かす」こと
運営とは、会社が決めた方向に向かって日々の仕事を動かしていくことです。
経営者が決めた目標を実現するために、社員が業務を行い問題に対応していきます。
例えば、経営で「顧客満足度を高める」と決めた時には運営で顧客の意見を集めて意見を汲み取り、商品やサービスの質を上げていく工程を取り入れたりします。
運営で大事なのは「決められたことをこなす」だけでなく、「目標を達成するために改善し続けること」ですよ!
運営が上手な会社は、経営で決めた方針が浸透して、会社全体が好循環で回りますよ。
経営が疎かになった会社の4つの結末

経営と運営の役割が曖昧になると、社長・社員が何をすべきかわからなくなり、会社の動きが鈍くなります。
実際の中小企業で、社長が現場仕事に追われて経営に手が回らなかった結果、現状維持に精一杯で施策を打ち出せず規模縮小した事例も…
不測の事態を避けるためにも、ここから紹介する“起こり得る事例”を確認してください!
経営の必要性を理解して、対策の参考にしましょう。
①社長が業務に追われて経営戦略に集中できない
社長が運営まで担った場合、大事な戦略のフェーズが抜けてしまいます。
なぜなら、目の前の業務に集中するあまり、本来必要な事業成長の時間が取れなくなるからですね。
例えば、顧客対応、業務の確認など社員に任せるべき仕事をすることで新しい事業立案の時間が奪われて機会損失となるんです。
その結果会社が成長できず、時代の変化が激しい現代によって緩やかに下落していきます。
そのため、事業を安定させるためにも、日々の運営は社員に任せて社長が経営だけに集中できる環境を整えておく必要がありますよ!
②社員が指示待ちになる
社長が運営に加わると、社員が自分で考えて行動する機会が減り、社長から指示を待つ状態になります。
その理由として、社長の指示が日常的になると、社長に判断を委ねてしまう考えに陥り、自分で考えて行動する思考が削がれていくからですね。
その結果、社員は能動的に動くだけとなって仕事のパフォーマンスが下がることも…
すでに社長が現場を兼任している場合はまず現状分析して、「社員に任せる業務」と「社長が判断する業務」を整理してみましょう!
社員が自ら動ける組織は、仕事の質が上がって会社全体として良いフェーズに向かいますよ。
③目の前の売り上げばかり追って先を考えられなくなる
目の前の売り上げを優先しすぎると、会社の将来への投資が後回しになります。
というのも、売り上げを増やすことばかりに集中すると、新しいサービス開発や人材育成に時間が使えなくなるので、結果的に先を見越した事業成長の取り組みができないんです。
実際に、短期的に売り上げを確保できてもその後事業が横ばいになることも珍しくないです。
経営は目の前の売り上げだけでなく、「半年後、1年後に会社をどうしたいのか」を考えることが事業継続には必須ですよ!
安定した「運営」の基盤を作って、社長は事業戦略の「経営」に一点集中することで、今必要な行動が見えてきますよ!
会社経営は結局、“現状維持は衰退”の言葉の通りですね。
④経営判断の遅れから事業が停滞する
社長が現場に入りすぎると、重要な経営判断ができず事業の成長が止まります。
なぜなら、「採用を進めるか」「業務のやり方を変えるか」といった判断を、日々の細かい業務に追われる社長が全て行っていると、検討する時間すら与えてもらえないからですね。
その結果、市場や顧客の変化に対応できず、せっかくの事業成長の機会を失ってしまうんです。
こうした状況を打開する策として、権限委譲によって業務分担をハッキリさせると意思決定の速度も上がって変化に対応できますよ!
繰り返しですが、「経営」と「運営」を正しく機能させることで事業が伸びていきます。
社長が経営に集中して事業成長させる実践法5選

社長が経営に集中した方がいいことはお伝えしてきましたが、事業成長させるには覚えただけでなく具体的な行動に落とし込まないと意味がないです!
なので、ここから社長が経営に集中して事業成長に繋げるための5つの実践法をお話しします。
| ・相談できる相手を見つける ・経営者と社員の役割を明確に分ける ・会社の業務を見える化する ・仕組みによって属人化をなくす ・経営と運営の両方を定期的に見直す |
事業成長に必要なのは、土台である「環境」が整うことですよ!
では、一つずつ具体的な解説をしていきます。
①相談できる相手を見つける
社長が運営業務から離れて経営に進むために、第三者の意見を得て判断すると良いです!
なぜなら、社長が悩みすぎて決断できない時は専門家の意見を仰いだ方が早く問題解決できるからですね。
例えば、採用業務を社長が全て担っている会社は採用支援会社を取り入れると、余白が生まれるだけでなく社長では気づかない採用課題に向き合えるので有能な人材を獲得して会社も成長できるんです。
相談相手を選ぶ時は、業界や会社内の事情を察知してくれる相手を選びましょう!
「社長が採用業務を全て請け負っているので負担を軽くしたい」と考えている方はぜひ1度私が経営する“採用コンサルタント”にご相談ください。
②経営者と社員の役割を明確に分ける
経営者と社員の役割を明確に分けることで、社長の負担が軽減して経営の時間が生まれます。
まずは社長が現在行っている仕事を全て洗い出して、「経営」と「運営」に分けてみましょう!
| 経営 | 運営 |
| ・事業の方向性を決めること ・経営目標を設定すること ・新規商品開発など投資先の選定 | ・日々の顧客対応 ・業務管理 ・社員への指示 |
上記をさらに深ぼって洗い出すことで、社員にとっても「どこまで自分で判断して良いのか」の基準になりますよ!
役割の整理は社長が優位になるだけでなく、社員も責任を意識できるので主体的に行動できるメリットが得られます。
③会社の業務を見える化する
会社の業務全体が把握できていない時は、業務の見える化で運営が安定します!
というのも、業務の流れが掴めないと「どこに無駄があるのか」「誰に負担が集中しているのか」を判断できず、問題を無視してしまう事態になりかねないからですね。
なので、ぼんやりとしている業務を手順に沿って明確にする必要があるんです。
| 無印良品の成功例 |
| ・課題…店舗・本部ともに業務内容の整理が行われておらず、業務が属人化していた。 ↓ ・取り組み…当時の代表取締役社長であった松井忠三氏は、業績回復のため業務の見える化と標準化を行う。具体的には、店舗の従業員が利用する2,000ページの「MUJIGRAM」と、本部で利用する6,608ページの「業務基準書」の2種類のマニュアルを作成し、作業の流れと手順を可視化した。 ↓ ・見える化による成果…メンバー間での知識の蓄積と共有が容易になった。業務の方法やそもそもの目的を見直すきっかけとなった。業務を標準化したことで、現場から日々問題点と改善点が報告されるようになった。 |
これは大手企業だから成功したと感じるかもしれませんが、上記の手法は中小企業でも有効的に活用できますよ!
「誰でも安心して業務に取り組める状態」を作ることで会社内のトラブルも抑えられます。
④仕組みによって属人化をなくす
社長が現場の仕事を抱えている会社は、属人化を解消することで経営に集中できます。
なぜなら、属人化をなくすことで担当者が休んで業務が止まった時のリスクをなくせるからですね。
| 属人化をなくす取り組み |
| ・業務の手順をまとめたり、チェックリストを作って判断基準を明確にする ↓ ・複数の社員が業務を理解できる環境設定 ↓ ・担当者が変わっても業務を続けやすくなり社長が現場に入る必要がない |
属人化をなくすことは、単に効率化するだけでなく一部の社員に依存しない組織に変えて、社長が経営に集中できる基盤ができますよ!
成果を出せる仕組みづくりの詳しい方法はこちらの記事をご覧ください。
⑤経営と運営の両方を定期的に見直す
経営に集中するには、環境を整えて反応を見ながら必要な改訂を加えることで、運営を任せられます。
というのも、会社の状況や社員、顧客のニーズは時代の変化によって変わってくるので、定期的な見直しが必要だからです。
| 経営…売上・利益、顧客の変化、現場の人材状況 運営…業務の進め方、社員の負担、仕事上のミス |
例えば、月一回「経営」と「運営」に分けて振り返る時間を設けると良いです。
「会社の方向性に問題があるのか」「現場の仕事の進め方に問題があるのか」を分けて考えることで、改善点が明らかになって無駄のない修正を実施できますよ!
経営に集中する施策を持続化させるためにも、見直しは欠かさないようにしましょう。
経営と運営が混在していた所から採用成功して事業成長した実例
私が運営する「ヒトカラ」で以前支援させていただいた企業様の事例をお伝えします!
その企業様は、離島「小笠原」の観光会社でツアーガイドの募集が来ないことに悩んでいました。
当初の悩みとして、「従業員が減りすぐに採用したかったが、求人を出しても応募者が来ない。選考基準に達していない人材も採用してしまいミスマッチが発生した。自社の採用基準に合った人材を採用したい。」という課題が複数ありました。
また、少数体制の企業だったゆえに経営者様が自ら採用業務をしなければならず、「どうしても採用にしっかり時間が割けない」という問題点もありました。
そして、小笠原は離島のため、採用選考はオンラインのみでしか行えないことや、入社とともに完全に島への移住となるため、採用が難航すると予想…
ところが、課題が複数ある中でも当社が支援を始めて4ヶ月で第二新卒者25歳女性、高校新卒者18歳男性の採用に成功したんです!
| 当社が採用をお手伝いする中で工夫した点 |
| ・求人原稿の表現や情報量の改善 ・掲載する求人サイトを増やし、求人の露出を広げる ・ダイレクトリクルーティングの実施 ・当社にて一次面接まで対応し、経営者様の採用における工数を大幅に削減したことにより応募者を増やし、自社のペルソナに合った人材の選考を余裕を持って行う |
観光業は人手不足が深刻化しており、移住のリスクもあって採用が難しい業種ですが正しい戦略を練ることで理想の採用を実現できます!
経営戦略を練る時間を増やしつつ、採用も正しい方向で進めたい経営者様はぜひ“ヒトカラ”にご相談ください。
\企業に欲しい人材を獲得して組織安定が実現できる!/

経営と運営の違い

重複しますが、経営は「会社を進める方向を決めること」、運営は「その方向に向かって仕事を動かすこと」です。
それぞれの役割を深く理解できれば、社長は経営に集中して事業を伸ばすこともできますし社員は役割を認識してパフォーマンスが上がりますよ。
ここから「経営」と「運営」の具体的な違いを、役割や業務内容の観点から例を挙げて解説します!
中小企業の場合の「経営」と「運営」
中小企業は、社長が経営と運営を両方担っているケースが多々見受けられます。
本来、経営者は「経営」のみに集中すべき存在ですが中企業の場合、規模的になかなか難しいと感じるでしょう。
ここで大まかに違いを確認してください!
| 経営…事業戦略、売上・利益目標、採用計画、人材への投資、新規事業、組織づくり 運営…営業活動、顧客対応、社員の勤怠管理、業務進捗、日々の生産・サービス提供 |
中小企業の社長が運営まで携わると本来考えるべき“経営戦略”の時間が失われるリスクとなるので、外部委託も検討しながら少しずつ運営業務を減らしてください!
役割を明確にした上で、人との連携に頼ることが重要ですよ。
経営と運営を分けることで得られる3つのメリット

経営と運営を分けることで、社長と社員が本来の役割に集中できるようになります。
特に中小企業の場合、社長が運営業務を抱えることが多いので、役割を整理するだけで会社の動きが大きく変わりますよ!
ここでは、経営と運営を分けることで得られる3つのメリットを詳しくお話しします。
①社長が経営判断に集中できる
“運営”を社員に任せることで、社長が経営判断に集中できます。
繰り返しですが、運営業務を手放すことで空いた時間を経営に回して事業のことを考えられるんです。
例えば、業務の手順や判断基準を一定に整えておけば、社員が自分で判断して仕事を進められるので社長は安心して経営のみに力を注げます!
その結果、新規事業・商品、人材育成など会社の成長機会を増やせるんですね。
経営者は「目の前の仕事」ではなく「会社の未来」に目を向けられることで、事業拡大できますよ!
②社員が主体的に行動できる
経営と運営を分けることで、社員が自分で考えて行動できるようになります。
なぜなら、社長が仕事の進め方やその場の判断を細かく決めるなど運営に深く入ると、社員は「指示を受けてから動く」という状態に陥りやすいからですね。
例えば、「この判断は自分で決めて良いから、仮説を立てて検証してみよう」と社員から積極的なアプローチが増えるんですね!
また社員が主体的に動けると、社長の確認作業も減り、業務スピードも上がります。
社員が自分で問題を見つけて改善できれば、社長に頼らなくても組織が安定する強い会社となりますよ。
③余白が生まれて大きなトラブルを回避できる
経営と運営の役割を整理すると、社長や社員に仕事の余裕が生まれて大きなトラブルを防ぎやすくなります。
というのも心理的な余裕によってミスを少なくしたり、仮にトラブルが起きたとしても冷静にすぐ対応できるので、会社に影響が出るほど問題が広がらないんですね。
例えば、社員が休んでも業務手順が決められていれば他の社員が対応できますし、社長も時間の余裕があれば問題をすぐに確認して状況整理から対策まで早い段階で処置できるんですね。
余白は単に「暇な時間」ではなく「会社を守るための即応体制の時間」ですよ!
余白を作ることで、突発的なトラブルにも即座に対応する信頼できる会社を実現できます。
まとめ
「経営」と「運営」は似ているようで、それぞれの役割が違います。
この2つが混在すると、社長が経営判断できなかったり、社員が自分で考えて行動できない環境が生まれるリスクが起こります!
経営と運営を切り分けることで、長期的に優位に物事を進める会社が目指せるんです。
社長が頑張るのではなく、社員とともに会社を成長させる仕組みを整えることが、事業を深化させるためのポイントですよ!
| 経営と運営の違いは? |
| ・経営とは会社の「方向性」を決めること ・運営とは決めた方向に向かって「会社を動かす」こと |
| 経営が疎かになった会社の4つの結末 |
| ・社長が業務に追われて経営戦略に集中できない ・社員が指示待ちになる ・目の前の売り上げばかり追って先を考えられなくなる ・経営判断の遅れから事業が停滞する |
| 社長が経営に集中して事業成長させる実践法5選 |
| ・経営者と社員の役割を明確に分ける ・会社の業務を見える化する ・仕組みによって属人化をなくす ・相談できる相手を見つける ・経営と運営の両方を定期的に見直す |
採用活動を経営者自ら行っている企業様は、ぜひ「ヒトカラ」にご相談ください。
企業様と一緒に伴走して、最適な方法を実行して問題を解決しますよ。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
\採用によって事業の壁打ちができる!/
投稿者プロフィール

-
山崎 香織(やまざき かおり)|社会保険労務士・「ヒトカラ」代表
中小企業の採用・労務問題に特化したコンサルティングを行う。
企業の「ヒト」に関する課題を根本から解決するため、採用代行(RPO)サービス「ヒトカラ」を立ち上げる。
長年にわたり労務管理および人材採用の現場に携わり、これまでに多数の中小企業の組織づくりを支援。採用戦略の立案から、Indeed等の求人メディアを活用した母集団形成、単なる求人原稿の作成や応募受付にとどまらず、社労士としての専門知識を活かした「労務環境の整備」、採用後の「助成金活用」「離職防止・定着支援」「キャリアコンサルティング」を組み合わせた、独自の『定着する採用の仕組み化』を提唱。
現在は「採用・労務のプロ」として、企業の持続的な成長に伴走している。
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